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近づきたい
第7章 遠距離の日
「私…もっとよし先輩と話したい。仕事が忙しいのわかってるの…でも、もっと話したい。」

やっと出た言葉は『話したい』だった。もっと言いたいことあるのに。

「もう少ししたら、仕事落ち着くから。そしたら、もっと話そう。」

うん、うん。と電話を持って頷いた…でも、それは電話じゃ伝わらないね。

改めて、電話でしか触れられない距離を思い知らされた…

「うん、ありがとう。」

「…ねぇ、瑞穂ちゃん。」

よし先輩の声が優しくて、嬉しくなった。ちょっと元気になってきたかも…今までより明るい声が出る。

「なに?」

「瑞穂って呼んでいい?」

呼び捨てにされて、胸がドキドキした。嬉しい!

「うん、瑞穂って呼んで。」

嬉しくて、自分でもわかるくらい甘い声だった。

「瑞穂、可愛い…。オレのことも、もう先輩はやめない?」

えっ?!よし先輩以外の呼び方なんて考えたことなかった。

「何て呼べばいいか、わからないよ。」

「よしでも義朗(よしあき)でもいいよ。」

そんな急に言われてもどうしたらいいかわからない。ちょっと考えて…

「義朗、さ、ん。」

「アハハ。義朗さんか、あんまり呼ばれたことないや。でも、瑞穂っぽいかも。」

なんだか楽しそうな声に安堵して、私まで嬉しい。

「瑞穂、さっきさ、怒ってごめんな。」

「ううん、私こそ、ごめんなさい。」

二人で謝って、二人で笑った。よし先輩の笑った顔見たいな…
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