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近づきたい
第7章 遠距離の日
「よし先輩、ゆっくり寝れた?」

「ああ、寝れたよ。また、よし先輩って呼んでるよ。」

アハハと電話の向こうでよし先輩が笑っている。
そんなに簡単に呼び方、変えられないよ…

「瑞穂、オレのこと心配してくれたんだよな…さっきはオレと話したくないのかな?ってちょっとイラっとしたんだ。大人げないよな。」

「ううん、大丈夫…」

少し時間を置いたことで、よし先輩の気持ちも落ち着いたみたい。良かった…

あっ、私またよし先輩って呼んでる…自分でちょっと可笑しくなった。

「よ、義朗さん…私、心配だよ。体、大丈夫?」

ちょっと沈黙があって、また心配になる…よし先輩の顔が見えない分、こんなに一喜一憂する…

「瑞穂不足で死にそう。」

「えっ?!」

よし先輩の言葉で私が心臓止まりそうだよ…

「アハハハ。瑞穂に会えなくて寂しいよ。瑞穂の笑った顔見たい。」

笑った後の落ち着いた声が私をも寂しくさせる。

わかっていたはずなのに…私がここに来たら、こうなることわかっていたはずなのに…

私は自らこの状況を手にしてしまったんだ。だから…頑張らなくちゃ。

「瑞穂?」

「ん?あっ、ごめんなさい。」

「今、何を考えてた?」

えっ…私の心の声聞こえちゃったのかな?
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