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大きな瞳に映るのは
第19章 告白

少しの間教室に沈黙が流れる
『 …ま、そんなところで
行きましょう。木下さん。 』
最初に立ち上がったのは奏だった。
あ、ハイ。と後を追う様に
私も立ち上がる。
そして奏についていくように教室を出る。
その間遙は無言で
私が教室の扉を閉める瞬間
ほんの一瞬、遙と目があった。
跳ね上がる心臓を抑えるように
俯きながら先輩を追う。
「 あ、あの… どこで描くんで…
『 美術室です。借用届は出してあります 』
冷静に淡々と廊下を進み美術室へ向かう
ガラッ
扉を開け、美術部員が帰った教室へ
二人きりになる。
遙と目が合ってから鳴り止まぬ心臓の音が響き渡りそうなぐらい静まり返っている。
奏は椅子を二つ用意し
一つは私にどうぞと差し出し
絵を描く準備に移る
腰を下ろすとキィと椅子が鳴る
準備が整った様子で
奏が向かい合う様に椅子に腰かける
『 よろしくお願いします 』
一瞬だけニコリと表情を緩めると
大きなキャンパスに鉛筆を落とす
何度も眼鏡の奥の瞳が私を捕える
見られるのは苦手だ、緊張する
それを察知したのか奏が口を開く
『 緊張しなくても。
好きなことを考えていてください 』
好きな …
遙の顔が浮かびカァッと頬が熱くなる
そして身体中に熱が帯びていく
カタンッ
奏はいきなり立ち上がり
私に歩み寄った。
『 木下さん、コレ … 』
そういうと前かがみになり
私に顔を近づけ、首筋に手を当てる
『 … 剥がしても、いいですか 』
眼鏡の奥の瞳が再び私を捕える
思わず あっ、と奏の手に自分の手を重ねる
駄目だ、ソレを剥がしては。
バレてしまう
私が必死に隠そうとしていたソレが。

