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大きな瞳に映るのは
第19章 告白

キィ …
奏が椅子に腰を下ろすと
椅子が少しだけ鳴った
キャンパスを閉じる奏
『 … 聞いてもいいですか 』
私は小さく、俯いたまま頷く
『 … いつですか? 』
同じトーン同じ口調で進める
今どんな顔をしているのか
目に入れることはできなかったが
きっといつもの無表情なんだろう
「 … 金曜日 、です 」
『 まさか、進藤ですか? 』
この間その話題になったので
勘違いしたのだろう。
私は横に首を振った。
『 じゃあ、何ですか。
自分を売りにでも出したんですか 』
冷静に首を横に振る
『 … 無理矢理されたんですか 』
「 ちっ、… 違う! 」
思わず奏の方を見て口を開く
その瞬間 いつも無表情の奏が
眼鏡の奥の瞳が
たまに見せる柔らかい笑顔が
苛立ちに満ち溢れたものへと変わっていた

