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大きな瞳に映るのは
第4章 生徒会
武藤 蒼真 ―…
こいつは、俺以上に冷静な奴だ。
『冷静』というより
『面倒くさがり』の『なまけもの』だ。
こんな怠け者が生徒会役員をしていて
本当にいいのだろうか
と何度も思ったがそれは夕も同じだ。
だからあえて言ったことはなかった。
『 何、なに!武藤この子知ってんの?! 』
夕がハイテンションで蒼真を見る。
『 いや… あんな挨拶見たら
名前位覚えちゃいますよ。 』
呆れたように蒼真が言う。
俺は二人のやり取りを冷静に見る。
『 なぁんだー。知り合いかと思ったのにー。残念… 』
『 何でお前が残念がる? 』
夕の態度に思わず口が開いた。
『 だってチョー清楚系!
なのに可愛い系!気になるっしょ! 』
嬉しそうに夕が手をぶんぶんと振り回す。
『 名前もろくに覚えられない奴が
そんな調子に乗るな。 』
夕がぶすっとふてくされる。
すると蒼真が思わぬ言葉を口にした。
『 俺の知り合いですよ、というか、後輩…
というか 元カノです。 』