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大きな瞳に映るのは
第25章 勘
汗でブラウスが背中に張り付く。
気持ちが悪い。
でもあと数メートルで
クーラーの効いた生徒会室 …
ガラッ
「 おくれっ… ましっ… った。
すみっ … ません … っ 」
勢いよく扉を開けると
涼しい風が私の身体を包んだ。
『 おーっと遅いじゃないのー! 』
そう一番最初に声を出したのは夕先輩だった。
夕先輩は怒っている様子もなく
いつも通りで。
ふと奏先輩を見ると眉間にしわを寄せたまま
資料に目を落としている。
かなり怒っている様子が見て取れた。
そして蒼真はいつになく
眠そうにしていて。
遙を見ると何故か
笑いを堪えるのに必死な表情をしていた。
「 ねぼっ … しちゃって … 」
肩で息をしながら
とりあえず自分の席にすとんと腰を下ろす。
すると我慢の限界なのか。
遙がぷーっと吹き出した。
『 はっ、木下音夢っ、なにそれっ 』
「 はい ー…? 」
お腹を抱え笑いながら私を指差す遙。
何を言っているんだと言い返そうとしたとき
『 まぁ今の木下に女子力の欠片もないですね。』
そう呆れたように蒼真が口にする。
ハッとして手鏡を出し自分を見ると
髪はボサボサに乱れブラウスは第2ボタンまで外れ
リボンは傾いていた。