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大きな瞳に映るのは
第25章 勘
「 … ひぃっ 」
あまりの悲惨さに恥ずかしさを通り越す。
慌ててタオルを出し汗を拭い
手ぐしで髪を直し
ボタンを締めリボンをなおした。
『 いやー、面白いもん見たわー 』
『 珍しいですね此処まで派手にやる人は 』
笑いながら楽しそうにする遙と
それに乗っかる蒼真。
もう…。とぷくっと膨れると
夕が不思議そうに口を開いた。
『 それよりさっきの、誰? 』
その言葉に奏と遙と蒼真は
え?という表情をする。
夕は窓際に腰かけていて
あとの三人は自分の席に着いている。
きっと私が学校に着いたときを見ていたのだろう。
『 さっきのって? 』
奏が初めて口を開いた。
その声のトーンは低く更に怒りを買ってしまいそうな雰囲気を出していた。
『 え?さっきのバイクの人! 』
夕は奏の変化に気が付かず
その質問に直球に返す。
『 … バイク? 』
「 あっ、中学の先輩でっ!
丁度駅前で会ったんですよ! 」
慌てて返答すると、
奏はさらにむっとした表情になり
視線を資料に戻した。
それを見た夕がやっと
奏の不機嫌に気づいた様子で
申し訳なさそうに私を見て両手を合わせる。
( なんか。… 誤解されちゃってるかも )
そう思いふと遙を見ると
先程まで笑っていた遙の表情は
まさに無表情で。
スマホに視線を落としていた。