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大きな瞳に映るのは
第25章 勘
生徒会としての話は進み
いつの間にか時計の針は12:40を指していた。
『 とりあえず今日はここまでですね 』
そういって資料を片付ける奏
『 んじゃ、俺部活だから~ 』
と、足早に夕と蒼真は教室から去って行った。
『 俺も吹部だからじゃあな。』
そう言って遙も出て行ってしまった。
奏と私だけが取り残される。
空気はとても重く静か。
『 …で、今日誰と会ってたんですか? 』
やっと口を開けば
やっぱりそのことか、と言いたくなる。
別に会ってたとかそういうわけじゃないのに。
「 駅を出たら、先輩に会って …
『 それで遅刻したんですか? 』
「 そうじゃなく…!
遅刻して急いでる所を送ってもらって … 」
ふぅん、と横目で私を見る奏
かなり疑っているのがよくわかる。
すると、あ、と何かを思いついたように立ち上がった。
『 木下さん、ランチ行きませんか? 』
急にニコリと笑顔を向けられる。
さっきの表情とは大違いだ。
「 で、も。先輩勉強があるんじゃ … 」
『 ランチ行ってからしますよ、どうですか? 』
そういって早々に自分の荷物をまとめる。
『 オムライスのお店、見つけたんです 』
そう言って再び私に笑顔を向ける
オムライスは私の好物のひとつでもある。
そんな店を今日誘ってくれるなんて。
なんだかあまり怒っていないようだった。
「 オムライス … 行きます! 」
安心した私は先輩に笑顔を向け
自分の荷物もまとめ、席を立った。