この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
大きな瞳に映るのは
第25章 勘
「 … な、なんですか? 」
その姿に再び心臓が跳ね
どもりながら答える。
するとタイミングよく
前菜のサラダが運ばれてきた。
『 この後、付き合ってもらってもいいですか? 』
一瞬頭の中にクエスチョンマークが浮かび
え?という表情で奏を見る。
『 行きたいところがあるんです。付き合ってもらいますからね。』
その言葉でやっと理解するが
私の返答も待たずに
彼はいただきますといって
サラダを口に運んだ。
私もハッとして
いただきますと手を合わせて
サラダを口に運ぶ。
奏先輩は、結構Sなところがある人だ。
というかきっとこの人はドSの部類だろう。
けれど優しいときは本当に紳士的で。
そのギャップがたまらなく愛おしかった。
オムライスが運ばれてくると
ここのオムライス、俺一番好きなんですよ
といつもの笑顔を見せてくれる。
きっとこの不意に見せる笑顔にときめく女性は
数多くいるんだろうな、と改めて実感する。
しかし
さっき一度だけ吐いたため息と
これから奏が向かおうとしている行先は
謎のままだった。