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公衆便所から始まる
第9章 stand by me!
予感はしてたんだ。
電話の声が、なんとゆーか丸かったから。

「初めまして。近藤和香子です」

親父の……カノジョだった。結婚相手ではないらしい。

いやいや、紹介いらねーから好きにやってよ。
だってもう生活費も自分で全部払ってる。
住んでる部屋の更新の書類だけは世話になってるけど、そこはどーしょもないところだ。
最初はそう思ったんだ。

近藤さんは、よく喋る人だった。
そして、観察眼があって頭のいい人だった。

意外だった。
彼女が頭がいいところがじゃなくて、親父がやりこめられても受け入れてるところが。
頭がいいプラスユーモアがあるからなんだろう。
俺が見ててもわかる。イヤな感じがしない。

ユーモアって、思いやりなのかもな。
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