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手探りな絶望
第6章 溺愛
俺が
グラタンを
食べ終えた頃
まだ
冬実の皿は
半分ほどの
グラタンが残っていた
熱いグラタンのせいか
頬は赤く
ほんとうに
果実のようだ
冷たい
アイスティーを
飲みながら
一生懸命食べてる冬実が
なんだか
とてもかわいらしく
21歳という実年齢よりも
幼く見えて
たまらない
ときどき
正面の俺と
目が合うと
またすぐに
視線を落とし
誤魔化すように
ストローに
口をつけたりする
もっと
見ていたい
もっと
一緒の時間を
過ごしたい
もっと
話しが聞きたい
もっと
知りたい
「佐々木さん」
「・・はい」
「どうして
野球好きになったか
教えてくれる?」
「・・・・・」
やっと
冬実はグラタンを
食べ終えて
スプーンを
皿の上においた