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講義の終わりにロマンスを
第3章 変装と女心
佐々木は、少し考えてから、グラスに濃い赤のシロップを下から1cm程まで注いだ。砕いた氷をシロップの上に敷き詰めると、氷を伝わせるように、ゆっくりとオレンジジュースを注いでいき、最後にレモンを軽く絞る。
比重の違いも助けになり、細長いカクテルグラスには、2層の彩りが鮮やかなドリンクが出来上がった。
最後にマドラーを差して、真菜の目の前にグラスを差し出す。
「綺麗」
無言で微笑む佐々木に見守られて、真菜はグラスを静かに見つめていた。
かき混ぜてしまうのが勿体無い気がする。
ふと、鞄からスマホを取り出そうとしてから、その手を止める。
こんな素敵な空間で、写真を撮るなんて、何だか、はしたないような気がしたのだ。
「これ、かき混ぜていいんですか?」
念のため、バーテンダーを見上げて尋ねれば、彼は穏やかな顔のまま、一つ頷いた。
未成年であることを見抜かれたのは悔しくもあったが、目にも楽しめる1杯を頂けたのは幸せなのかもしれない。
真菜は少し切なげな笑みを浮かべて、マドラーに手をかけた。
比重の違いも助けになり、細長いカクテルグラスには、2層の彩りが鮮やかなドリンクが出来上がった。
最後にマドラーを差して、真菜の目の前にグラスを差し出す。
「綺麗」
無言で微笑む佐々木に見守られて、真菜はグラスを静かに見つめていた。
かき混ぜてしまうのが勿体無い気がする。
ふと、鞄からスマホを取り出そうとしてから、その手を止める。
こんな素敵な空間で、写真を撮るなんて、何だか、はしたないような気がしたのだ。
「これ、かき混ぜていいんですか?」
念のため、バーテンダーを見上げて尋ねれば、彼は穏やかな顔のまま、一つ頷いた。
未成年であることを見抜かれたのは悔しくもあったが、目にも楽しめる1杯を頂けたのは幸せなのかもしれない。
真菜は少し切なげな笑みを浮かべて、マドラーに手をかけた。