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講義の終わりにロマンスを
第3章 変装と女心
「あー、くそ・・・。眠れねーし」
もやつく感覚から逃避したくなって、ベッド下からエロ本を取り出す。
ページをめくっている間に、ふと今日見た彼女の様子が眼裏に浮かんだ。
「・・・・・・」
彼女の二の腕を、あの時、初めてマジマジと見た気がする。
透き通って、何の汚れもない、真っ白い肌は、踏み荒らされる前の雪景色のようで、たまらなく引きつけられる何かがあった。
初めて口紅を引いたであろう唇は、授業の時には感じたことの無い、官能的な色を纏って見えた。
見覚えのある黒縁眼鏡の中の瞳が、潤んで俺を見つめていた、その顔は、まるで―――。
「うわっ、やべ!」
気づいたら、股間が一大事になっている。
教え子の身体を考えて勃起するなんて、教師として最低じゃないのか?
慌てて目を閉じたけれど、彼女の切羽詰まった様子が、頭から離れない。
どうして、あんな格好でBARなんかに来たんだろう。
どうして、化粧をしようなんて考えたんだろう。
まるで男を誘ってるようで、危なっかしくて、放っておけない。
気づいたら、右手がスウェットの前を探っていた。
いつも見ていた、おさげと眼鏡の彼女からは想像ができない変身ぶりだった。
制服では分からなかった身体のラインまで、綺麗に見えていて―――。
「っ・・・」
トランクスの隙間から引き出した自身を、指で作った輪で何度も扱く。
覚えのある熱が腰に溜まってくれば、もう一気に解放を目指すしかなくなった。
「はっ・・・」
あの眼鏡を外したら、彼女は、どんな顔をするんだろう。
その二の腕に触れたら、彼女は、どんな声をあげるんだろう。
白い首筋に口付けたら、彼女は―――。
「・・・・・・、っ、はっ・・・!」
反射的に手で受け止めた精液の感覚に、目を開けてから、恐ろしい罪悪感に襲われた。
「俺、最低だな」
ティッシュを引き抜きながら、己の節操の無さに心底げんなりした。
胸の内で、真菜ちゃんに謝るものの、身体は割りと正直で、スッキリしたら急に眠気がやってくる。
そんな自分の身体の最低ぶりにも辟易しながら、出番の無かったエロ本をベッドの下に放り投げると、俺は電気を消した。