この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
講義の終わりにロマンスを
第4章 決戦の金曜日
真面目で大人しい子がキレると大変なことが起こる。
そのセオリーを絵に描いたような展開に、小鳥遊がテーブルにぶつかりながら、呆けたように立ち上がった。
2人共、相手の顔を穴が開くほど見つめたまま、動けずにいる。
先に反応したのは真菜だった。
先程よりも盛大に、可哀想なくらい耳まで赤くなると、俯いたまま、震える指で鞄を拾う。
スクールバッグにぶら下がるマスコットが激しく左右に揺れている。
「・・・・」
緩慢な彼女の動きを、小鳥遊が視線で追いかける。
「あの・・・、か、帰りますっ!」
強烈な勢いで頭を下げる彼女の姿越しに、小鳥遊が異変に気付く。
反射的に靴先にぶつかっていたネームプレートを拾うと、その背中を追う。
「真菜ちゃん、待って!!」
焦ってエレベータ前へ戻った彼女の頭上で、エレベータの階数表示が動き出していた。
7階で止まっていたエレベータはゆっくりと下へ降りて行く。
小鳥遊がバッと振り返り、BARの時計を確認した。
午後3時15分。佐々木の出勤時刻だ。
(まずい!)
泣きはらした真菜の顔を見て、小鳥遊は彼女の手を掴み、急いでトイレへ引っ張った。
そのセオリーを絵に描いたような展開に、小鳥遊がテーブルにぶつかりながら、呆けたように立ち上がった。
2人共、相手の顔を穴が開くほど見つめたまま、動けずにいる。
先に反応したのは真菜だった。
先程よりも盛大に、可哀想なくらい耳まで赤くなると、俯いたまま、震える指で鞄を拾う。
スクールバッグにぶら下がるマスコットが激しく左右に揺れている。
「・・・・」
緩慢な彼女の動きを、小鳥遊が視線で追いかける。
「あの・・・、か、帰りますっ!」
強烈な勢いで頭を下げる彼女の姿越しに、小鳥遊が異変に気付く。
反射的に靴先にぶつかっていたネームプレートを拾うと、その背中を追う。
「真菜ちゃん、待って!!」
焦ってエレベータ前へ戻った彼女の頭上で、エレベータの階数表示が動き出していた。
7階で止まっていたエレベータはゆっくりと下へ降りて行く。
小鳥遊がバッと振り返り、BARの時計を確認した。
午後3時15分。佐々木の出勤時刻だ。
(まずい!)
泣きはらした真菜の顔を見て、小鳥遊は彼女の手を掴み、急いでトイレへ引っ張った。