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講義の終わりにロマンスを
第4章 決戦の金曜日


   *


「真菜ちゃん?」


先生が鳩が豆鉄砲を食らったような顔で振り返った。

その顔を見て、私は急にとんでもないことを口走ったことに気づく。


「あ、私・・・」


思わず手を口に当てる。

座ったまま腰から振り返った先生が、見たことの無い深刻な顔になる。

知らぬ間に、片足が後ろに下がった。



「真菜ちゃん、今のは、俺の聞き間違いで、いいんだよね」



確認する先生の声が、低い。



私は生徒で、先生は私の家庭教師だから。



  (やだ、間違いなんて言わないで)



「分かってると思うけど、君は、まだ高校生で」



私達の関係は、ただの教師と生徒だから。



  (子供じゃない。先生、私、もう子供じゃない!)



「年上の男に憧れる年代なのも分かるけど」



私は、まだ未成年で、先生みたいに大人じゃないんだから。



  (そんなの、おかしい! 人を好きになるのに年なんて関係ない!)



「少しさ、早くないのかな? そういう恋愛に惹かれるのは分かるんだけどね」



そんなに私は子供なの!!??



  (そんなに私は子供なの!!??)























「早くない! 私、先生のこと考えてオナニーだってしてます!!!!」























気付けば、床に鞄を叩きつけて、私は叫んでいた―――。




   *
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