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講義の終わりにロマンスを
第5章 My Romance



■My Romance■



衝撃の金曜日から4日間、真菜は自分の行いを思い出しては一喜一憂していた。



受験生の自分が、まさかの学校を早退。しかも明らかな仮病でのサボり。
(サボリ行為自体、初めての経験だった)
そして、その後のBARでの小鳥遊との会話。どこを切り取っても恥ずかしい事件だった。
穴があったら入りたい。いや、穴を掘ってでも入りたい。



そんな彼女を支えていたのは、くしゃくしゃになった小鳥遊からのメモ。

そこには『火曜日に、話そう』と、一言だけ殴り書きされているそれを、丁寧に畳み、生徒手帳に戻すと、机に置く。



(来てくれる。先生は必ず来てくれる)



時計が8時に近づくにつれて、真菜は不安で居ても立ってもいられなくなった。

部屋を出て、階段の一番上に腰を降ろし、階下の玄関を見つめる。

(早く、鳴って! チャイム!!)

鳴ったら鳴ったで、うまく対応できるか分からないのに、早く件の教師に会いたくて、真菜は知らずスカートの布を握りしめる。





―――と。





チャイムの音に、真菜が弾かれたように部屋の中に戻る。





焦って椅子に座り、平静を装ってスカートを整えた。





階下で母親の話し声が聞こえて、少しすると足音が階段を上がって近づいてくる。





(先生・・・!)





おさげのヘアゴムを弄っていた真菜の耳に、ノックの音が聞こえた。





「真菜ちゃん?」



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