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兄の狂気
第2章 嫉 妬







喘ぎながら懸命に首を振る。


「彼氏じゃ、なっ…と、男友達…っ!」


「瞳は男友達と抱き合ってキスするんだな?
可愛い顔してやるねぇ…知らなかったわ。
…何、お金払えばヤらせてやってんの?」


「違うっ…ん…っ全部違う!
あぁっん…あたし、…っが好きなのは、
…ったあぁ…っお、兄ちゃ…っだけっ…」


「じゃあ証明しろよ。いや…誓えよ。
この先一生、俺以外の男に抱かれないって」


「っ…」


他の男に抱かれない…


それはつまりあたしは、お兄ちゃんと…


一瞬…ほんの一瞬、哲平くんの顔が浮かんだ…


返事をしないあたしにお兄ちゃんは一瞬律動を緩め、


「…へぇ。そう」


そう呟いて、後ろで蓋を開けるような音が聞こえた。


足が震えて限界なあたしは後ろ手でお兄ちゃんの
腰を押すけど、その手を強く掴まれてしまう。


「よーく分かったよ瞳…
お前の心には今、あの男がいるわけだ」


「あぁっ、ん…」


「…そんなの、俺が許す訳ねぇよなぁ?」


「ひゃっ…!?」


「ほら…言えよ。
もう一生、俺以外の男に抱かれないって。
誓わないなら俺、
あの男に何するか分かんねぇよ…?」


「っ…」


そん…な。


咄嗟に振り返ってお兄ちゃんを
見上げたあたしの表情を見たお兄ちゃんは
一瞬瞳を揺らしたけど、すぐに不敵に微笑む。


「…誓え、瞳。今すぐ」


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