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兄の狂気
第2章 嫉 妬
「…っ」
心の中にある迷い。
お兄ちゃんの事は好き…
だけど、
だけど…
あたし自身が哲平くんに惹かれているのは
前々から気付いていた。
もう、お互いの存在が空気みたいなんだ。
一緒にいたら凄く心地よくて、
お互い無言でも気を遣わずにいれて…
話してる内容も当たり障りないんだけど、
考え方…物の捉え方が似てるんだ。
そんな哲平くんと一緒にいたら、
時間なんてあっという間に過ぎちゃって…
もっと一緒にいたい。
そう思うようになったのはいつからだろう。
いつのまにか目で追ってる。
哲平くんの笑顔を見ると
あたしまで嬉しくなるし、笑顔になれる。
…恋?なのかな。
こんな甘酸っぱい気持ちは久しぶりだった。
中学、高校の頃は何度か交際経験があって
ときどき訪れるラブハプニングにドキドキして、
毎日が楽しかった。
当時は、あたしとお兄ちゃんが
そんな関係になるなんて思ってもみなくて。
彼氏、という名の人と一緒にいながら…
思わせぶりな行動や言動であたしを揺さぶる
お兄ちゃんを意識しながら生活していた。
イケメンの中でも上位に入るくらい
顔が整ってて笑顔が優しいお兄ちゃん。
小さい頃から大好きで大好きで、
いつもお兄ちゃんの後をついて
走り回ってたのを覚えてる。