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兄の狂気
第7章 崩 壊







「瞳…愛してるよ」


「…」


他の女の子が、自分の名前をこんな甘い声で
こんな超のつくイケメンから言われたら
どんだけ舞い上がるのかな。


なんて考えながら目を閉じる。


するとあたしの反応に満足しなかったらしい
お兄ちゃんに最奥に一突きされて中出しされた。


「ねぇいつ出来んの、俺の子供」


最悪な言葉を、口にして。


荒い息を吐いてうっすらと目を開き、
力が入らなくて再びゆっくり目を閉じる。


動く気力も、喋る気力を失っていた。


だって…哲平と会ったお兄ちゃんが
哲平からあたしと哲平の関係を聞いちゃって
帰ってきた途端無理矢理あたしを抱いて。


「…他の男のニオイがすんね」


そう言って1週間、あたしを離さなかったから。


哲平の連絡先を消されて、着拒までされたから。


「哲平」


泣き叫ぶあたしの頬を思いきり叩いたお兄ちゃん。


「瞳は俺のものだろ…?」


お兄ちゃんは狂ってしまった。


あたしを自分の部屋に閉じ込め、毎日毎日抱いた。


大学に行かせて貰えなくなった。


大学に行きたい、と懇願したら殴られた。


あたしを痛めつけながら抱いた。


まともな食事を取らせて貰えず、
あたしはどんどん弱っていった。


お風呂も入らせて貰えないから体は臭いし、
精液も流させて貰えない。


妊娠するのは時間の問題だった。


…助けて。


助けてよぉ…


哲平、助けて…


祈るしかなかった。


哲平がこの扉を開けて、助けに来てくれる日を…


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