この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
兄の狂気
第7章 崩 壊
そう思うようになり、
一旦頭を落ち着かせようと家に帰った。
すると瞳の兄貴の方から動きがあった。
「哲平、あんたにお客さん」
母親に呼ばれ、期待を胸に玄関に行くと。
いたのは、瞳の兄貴。
…瞳だと喜んで家に上げるよな、
紹介してあんだから。
襟首を掴んで外に連れ出され、
人気のない所で漸く離された。
瞳の安否を問いただすと思いきり腹を殴られた。
地面に蹲った俺を、瞳の兄貴は無表情で蹴り続けた。
「…憎いよ」
ドスのきいた低い声。
「お前が憎くて仕方ない…
さっさと出てけよ…瞳の中から。
瞳は俺のものだ…二度と近付くな」
そんな…事。
「っ、嫌だね…誰が出てくかよ、瞳は俺んだっつの。
あんたが出てけよ、近親相姦は犯罪ですよ?」
服の砂を払い何とか立ち上がり、
瞳の兄貴を睨みつける。
頬を殴られたから、思いきり殴り返した。
「っ…瞳に、会わせてください」
「はっ…誰が」
なぁ瞳…どうしたらお前を助けられる?
口元の血を拭って瞳の兄貴を睨み上げ、
…ふと気付いた。
わざと無抵抗で殴られ、地面に倒れて蹲る。
…タイミングよく行ってくれてたら一番いいんだが。