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兄の狂気
第7章 崩 壊
「瞳!!」
名前を呼んで声のする方に走ると。
「哲平…哲平!ここっ…」
瞳の声がする、1つの部屋を捉えて。
右手の感覚は失っていた。
けど気にする暇もなく右手で
ドアノブを引き、扉を開いた…
黒い遮光カーテンで日光を遮られた
薄暗い部屋の中…瞳は、ベッドの上で
座り込んで俺を見つめていた。
「…っ!?哲平、その傷…っ」
…いた。
いた…瞳。
俺の瞳…
フラフラと部屋の中に入り、
裸の瞳を思いきり抱き締めた。
「てっぺっ…哲平…っ」
俺をぎゅううっと抱き締めてくれる瞳から
少し体を離し、唇に深く噛み付く。
「んんっあ…てっ…、…っんぅ…っ」
深く舌を絡めて一旦離し、
本当に瞳なのかどうか確かめて…
「ぷはっ…あのねてっぺっ…あたし…っんん!」
再び深く唇を重ねた。
足りない…足りない足りない足りない。
もっと…
強ばってた瞳の体から一気に力が抜け
だらりとベッドに倒れると、
俺はその体に覆い被さってキスを続けた。
「てっぺぇ…っ」
真っ赤な顔で荒い息を吐く瞳は色っぽくて…
「ありがとう…っ」
喉から絞り出したような声を出し、
俺に抱き着いて泣き出した。
俺に抱き着いて離れない瞳。
その行動が、瞳の全てを物語っていた。