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兄の狂気
第9章 永 遠
「いい旦那さんだね。ね、蒼汰」
「…うん」
「?」
「優しい旦那さまじゃないですか。
奥さまのこと心配してないわけないですよ〜」
「…そう、ですかね…」
「ちょっとはあたしのこと気にしてよ!」
なんて言って飛び出して来ちゃったけど…
…嬉しいよ?
すごく嬉しいんだよ、子供のこと
喜んでくれたり心配してくれたりするの。
でも、ちょっとくらい…
「この人、こんなクールぶってますけど
子供にデレッデレなんですよー?
今はみさ…、あーっと、ママ友さんに
預けてるんですけど、家帰った途端
飛んで行きますからね、子供のところに」
「へぇ…」
想像つかないかも…
「「なつきたーん」なんて言うんですよー!?」
「…おい杏奈。黙れ」
「でね?「パパいやー」って言われて
顔押し退けられてるの!
そしたらもーこの人すっごくショック受けて!
もうどっちも可愛いのなんの!」
旦那さんの肩をバシバシ叩きながら笑う女の人は、
とても幸せそうで。
ていうか…
「旦那さん、めちゃくちゃ可愛い…」
「でしょー!?ほんと可愛いんですよー!
子供みたいにシュンってなっちゃってるの!」
「えぇ!可愛すぎるんですけど…っ」
「なつきたーん」って呼んでる様子、想像つかないな…
子煩悩なパパなのかな…素敵。
「しばらく落ち込んでるからいつも宥めるんですけど、
もーおかしくておかしくて、…うふっ、うふふふふふ」
チャーミングに笑う女の人が可愛くて、
ついあたしも釣られて一緒に笑った。
すると。
「…杏奈。家帰ったらお仕置き」
「あははお仕置きだって。
聞いてくださいよ、この人のお仕置き。
マッサージですよ?」