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兄の狂気
第9章 永 遠
マッサージ!?素敵!
「ちょっとー。もう惚気じゃないですか〜」
「えへへバレました?しかもプロ並みなんですよ!
蒼汰〜銀行員やめてマッサージ師になったら?」
「…馬鹿。すぐに免許取ってやるわ」
「あははっ!なってくれるのー!?
あたしお客さん1号だからねー?」
「おう、永遠の1号目だ」
「何それ意味分かんない。あははははは」
「…おい酔ってんじゃねぇのかてめー。
妊婦だから飲んじゃだめなんだぞ知ってんのかコラ」
「あはは飲むわけないじゃんか〜」
大きなお腹を抱えて笑う女の人を、
負担がかからないように支えて座ってる男の人。
男の人の、女の人を見る目がすごく優しい…
やっぱりあたしも哲平連れて来ればよかった…
「あっ!ねぇねぇ今何か月ですか?
もしかしたら時期同じくらいじゃないかな」
「9か月です!もうすぐで会えるんですよ〜」
「ほんとですか!あたしも9か月ですっ」
「わぁ一緒だー!」
きゃっきゃと迷惑にならない程度に笑うあたし達に
「仲良くなんの早くね…?」
と呟く男の人。
「性別は?」
「男の子らしいですっ」
「こっちは女の子なんです〜!」
「いいな〜!」
和気藹々と話してると、
後ろから走る足音が聞こえてきた。
振り向くと…
「瞳っ!」
…あ。
「哲平…」
哲平だ…
「はぁっ…よかった…。お前、電話出ろよ…!
何かあったかと思うだろ…」
「…産婦人科来てるんだから出れるわけないじゃんっ」