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兄の狂気
第9章 永 遠
検診を終えて哲平と家に帰ると。
「…瞳。これ…俺からのプレゼント」
ん、と言って差し出されたのは、大きな大きな、
サンタクロースが持ってそうな白い袋。
「…?」
不思議に思いながらも受け取るけど、
お腹が大きくてうまく開けられない。
哲平を見上げると、にこにこしてる。
「自分で開けてほしい」
…らしい。
「…んしょ、」
ソファに座らせて貰った身体を少し起こし、
袋の蝶結びにされた紐をほどく。
「服?」
「さあね」
聞きつつ布のようなものを取り出してみると。
「…あ、これ…っ」
妊婦用の、臨月になっても着れるマタニティ服。
ありがとう!と満面の笑顔を向けてると、
「うん、とりあえず全部出して」
と言われて首を傾げる。
まだあるの?
促されるまま袋に手を突っ込み、
触れた柔らかい布を引っ張り出すと。
「あ!えっ!?欲しかったやつっ」
有名なブランドの限定品のブランケットで、
100個限定販売ってDMきて無理そうだねーって
話してたのにどうしてあるのー!?
「俺、あの店の店長と知り合いなんだけど、
頼んだらとっておいてくれた」
「えぇ、凄い!わざわざありがとう…」
本当にほしかったから凄く嬉しい…