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兄の狂気
第9章 永 遠







じわ、と涙が込み上げる。


「ありがとう…っ」


哲平を見上げてお礼を言うと。


「…よーく見てみ?袋の中」


「?」


…えっ?


ま、まだあるのー!?


哲平を見上げて、袋の中を覗いてみると。


細長い箱と、封筒が入ってた。


その2つを取り出し、先に封筒の方を開けようと
封をきろうとすると。


「…あ、そっちは後。先にこっち開けて」


と細長い箱の方を指さされ、不思議に思いながらも
素直に従って箱のリボンをほどく。


箱を開くと。


「…っねぇも…っ何これ…!」


これまた有名なブランドの箱で…


「ん?気に食わなかった?」


「そんな訳ないじゃん…!」


入ってたのは、ハートをモチーフにした宝石が
たくさん散りばめられてる可愛いネックレス。


「かわいっ…もう、感謝しきれないよぉ…」


「良かった、喜んで貰えて」


ねぇ…ほんとに。


どうしてこんなにたくさん買ってくれたの…!?


嬉しくて表情が綻ぶ。


「哲平、ありがと…」


にっこり微笑むと、哲平が頭を撫でてくれる。


「ね、これ、つけて」


哲平の服の裾を引いて頼むと、哲平は笑って
あたしの手からネックレスが入った箱を取り、
つけてくれようとあたしの後ろに回った。


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