この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
まのめのロイン
第9章 欲望
「答えろ……何故だ? お前は何故逃げる?」
「し……知るかっ! 放せよっ!」
グリーディは欲望の魔物だ。
欲望は理由を探すのが下手だ。
欲望はクソ野郎だからだ。
何度も言っただろう?
クソ野郎には理由なんかない。
クソはクソだからクソなんだよ。
そして、それでも本は欲望が好きだ。
何故なら、それこそが本を先に読み進めるものだからだ。
ロインは言葉の奴隷で、欲望の恋人なんだ。
「お前が欲しい……」
ロインがグリーディの金髪を掻き分けて、そう耳元に囁いた。
《まのめのロイン 連載第10回 了》