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第5章 隣り

　そういうことだ。

　優子は中学の三年間、体をいいようにされてきた。
　そして高校に入学して間もなく、それはまた始まった。そして一年。

「ロインとノベル」の書を見つけるには充分な時間と……があった。

　心の中にやーちゃん(優子)とゆうこ(優子)の二人が居たのは幸いだった。いや、不幸でもあるのだろうが。

　どうあれ、彼女は開いたのだ。「扉」を。

　しかし、心の中では二人でも、現実には肉体はひとつだけ。