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彼色に染まってく…
第2章 2人の想い
『麻由莉。


俺…麻由莉のこと



ただの
幼なじみだなんて

思ったこと…




一度もないよ』




驚いて
言葉を失った私を


横目でチラッと見ると


佑貴は
ブランコから降りて




ブランコの支柱に


もたれ掛かった。




ちょうど公園の外灯に
背を向けた状態で


佑貴の顔は影になって



表情が全く見えない。






そのまま佑貴は
話し始めた…




『言っとくけど俺さ…


この一週間

ずっと麻由莉のこと…
見てたから』



『ほぇっ?

ど…ゆ…こと?』



『だいたい麻由莉さぁ



スキありすぎんだよ!





電車の中で
ぼーっとしてるから




痴漢に狙われたり
すんだよ?』




『ち、痴漢…て

そんなの
今日が初めてだもん!


それに、まゆは

毎日電車の中で


すっっごく
緊張してたんだよ?』




佑貴は
軽く溜め息をついた。




『そんなの

麻由莉が
気づいてないだけで…



俺が



麻由莉のこと

狙ってる奴らを


何回撃退したと
思ってんの?




しかも

電車が揺れる度に…

色んな方向に
倒れそうになるから



麻由莉に
気づかれないように

さりげなく
麻由莉の体支えたり…




何度も麻由莉の腕
掴みそうになったり


この一週間

すっげぇ
心臓に悪かったもん』






そんなの…
全然気づかなかった。



佑貴が…

私の知らないところで



私を守ってくれてた
なんて…



でも…



『でも…なんで?


距離おこうって
言ったのは…


佑貴の方なのに



なんで…

そんなことするの?




わけわかんないよ?』





『…俺が


麻由莉と距離おこう
って言ったのは…』


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