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彼色に染まってく…
第2章 2人の想い
『麻由莉のこと
傷つけたく…
なかったから
俺から遠ざけようと
したんだ…』
『なに、それ…?
何で
佑貴のそばにいたら
まゆが傷つくの?』
『それは
俺が
最低な男だから…』
悲しそうな
佑貴の声。
だけど
なんのことだか
全く理解できない。
私は黙ったまま
暗くてよく見えない
佑貴の
シルエットだけを
見つめていた。
『麻由莉
俺は…
子どもの頃からずっと
麻由莉が好きだった。
小学生の頃なんて
もっと大きくなったら
麻由莉と恋愛して…
いつか
結婚できたらなー
なんて
漠然とだけど
結構
本気で考えてたよ』
穏やかな声で
そう話すと…
佑貴は少し
照れくさそうに
笑った。
『だけど…』
そこから急に
佑貴の声のトーンが
低くなる。
その瞬間
私の心臓が
ドクンと波打った。
この話を聞くことが…
この先の
私の人生を
変えてしまうなんて
この時はまだ
思いもしなかった。