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彼色に染まってく…
第5章 麻由莉の決意
翌日、私は
学校帰りに
佑貴の家に行った。
『おじゃまします』
『ああ…
リビングでもいい?』
『うん、いいよ』
私は
広いリビングの
シックなブラウンの
レザーソファーに
浅めに腰掛けて
佑貴が出してくれた
オレンジジュースを
一気に飲んだ。
『で…?
今日はどうしたの?』
『あ…あの…ね
昨日の…
返事を…
今日、
言ってもいいかな?』
『はっ?
俺、週末でいいって
言わなかったっけ?
もっと…ちゃんと
ゆっくり考えて…』
『考えたよ。
ちゃんと…考えた。
だから…
今日来たんだもん』
『…
わかった。
もう、麻由莉の中で
はっきり答えが出た
って…ことだよね?』
私は頷いた。
緊張して泣きそう…
『…それで…?』
『ま、まゆ…
まゆは…
ま、まゆのこと…
幼なじみじゃなくて…
彼女として…
佑貴と…
一緒に…いさせて
ほしいです…』
恥ずかしいくらい
声が
震えてしまったけど
何とか言えた…
佑貴は
驚いた様子で
私の顔を見た。
『麻由莉。
ホントに…
それでいいの?』
私は大きく頷いた。
『本当に…
ちゃんと、考えた?』
『ちゃんと…
考えたよ。
佑貴が…
今まで1人で
抱え込んでたものを…
まゆにも…
半分…
分けてほしいの。
佑貴に…これ以上
1人で悩んだり
苦しんだり
してほしくない…』
『麻由莉…』
佑貴は
座っていた
1人掛けソファーから
ゆっくりと
立ち上がると
私の隣に座った。
私は緊張のあまり
まだ少し…
震えていた。
『麻由莉…
抱き締めても…
いい?』
佑貴が優しく言う。
私が小さく頷くと
佑貴は
私を包み込むように
そっと抱き締めて
優しく頭を撫でた。