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彼色に染まってく…
第1章 幼なじみとの決別
『え?佑貴…

それ…
どういうこと?』


『いや、だからさ…
麻由莉だってこの先
彼氏とかできるかもしれないし

いつまでも
このままじゃ…

やっぱ
マズいと思うんだ』



…意味…
わかんないよ…


少し俯いたまま

佑貴に近付いて
そっと顔を見上げると


佑貴は、あまり
見たことないくらい

真剣な表情で

私を真っ直ぐ
見つめていた…


そして
とても優しい声で


静かに話した。



『これから…

麻由莉にも
好きな人ができたり
彼氏ができたり


もしかしたら俺にも
彼女とかできるかも
しれないだろ?


そしたらさ
お互いの存在が…

いつか邪魔になる時が
くるかもしれない。


それに

こんなにいつも
一緒にいたら…

何かあったとき
急に離れるのって…
なんつーか…

難しくない?』



『ね、待ってよ佑貴。

それって、今日まゆが
告白されたから?

だからそんなこと
言い出したの?』



『いや、ホントは…
前からずっと考えてた。

お互いさぁ…
一生このまんまって
わけにいかないだろ?


いつかは…

別の人生…
歩くわけだし…』



『今日…会ってた人…
の…ため…?』


『えっ!?』


薄暗い夜道で、

街灯に照らされた
佑貴の顔が


一瞬青ざめて見えた。



言うべきじゃなかったのかもしれないけど…


今更撤回できないし…



『なんか…見たの?』


佑貴は

悲しそうな声で
聞いてきた。



『さっき、佑貴が…

女の人といるとこ…
見たよ』


佑貴の表情が

ますます曇っていく…


『…そっか…

それなら話は早いね。
いくら麻由莉
がお子ちゃまでも

それくらい…
わかるよね?』


『え…?』


『そういうわけだから
悪いけど…

麻由莉とは

今までみたいに
一緒にいられない。』


『ゆ…』


『でも別にさぁ
幼なじみってことは
変わりないわけだから

今まで通り
困った時とかは

ちゃんと相談にも
のるからさ』



私が何か言うのを
遮るような勢いで
佑貴は話し続けた。



そんな佑貴の

らしくない姿を見て…

私は
やっと自分の存在が

佑貴の重荷になってた
ってことに気づいた…


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