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- RyuKa -(心をあげる リライト)
第4章 あなたがいない
「おいおい、それじゃ渡せないよ。機密なんだから! ただでさえ先週、生産ラインで盗難があったばかりだろ? 工場だけじゃなくて、俺たち次世代型の開発のほうも凄い神経質になってんだよ」
「盗難……?」
「ああしまった、盗難があったこと自体秘密になってたんだ」
「どういうこと?」
「舞香……」
「教えて。何があったの?」
「うーん。まあいいか……次世代の試作機が盗まれたらしい」
「それって……」
「一体。できたてホヤホヤのがな。おかけでこっちの開発試験のスケジュールも滅茶苦茶でさ」
「次世代ってリユーズド・ボディなんだよね?」
「ああ。法令的にクリアになっただろ? それで、公には献体待ちってことにしてたけど、どうやらずいぶん前に献体は入手していて、ようやくボディのほうの調整が終わった所だったらしい。じゃあ次はってことで、言語系の試験予定が組まれていたんだよ」