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- RyuKa -(心をあげる リライト)
第4章 あなたがいない
「待って、個人と言ってもSINとは関係あるの。ほら、意識の搭載プロジェクト、結局、次々世代型SINに先送りされてしまったでしょう?」
「ああ」
「だから、今はまだ予算が下りなくて。でも試験論文は必要だから、自分一人でこつこつとね……」
「なあんだ、そういうことか」
「これを見て」
「何だい? このパターン」
「マウスの意識よ」
「ええっ! 意識?」
「そう。本物よ。ただの幾何学パターンに見えるでしょうけど、これは意識の各状態を視覚的に表現しているの。本物の意識そのものは私のコンピュータの中。そして……見て、こっちは猫。猫の意識よ」
「凄え……」