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双子の月
第3章 三夜

(今日はよく気を失う日だなぁ)
テーブルにうつ伏せになっていた朋子の意識がはっきりしてきて、朋子の目に飛び込んできたのは、巨大でそそり立つ男根。
それが何本もある。
いや、正しく言うと、カフェのような場所に全裸の男性が座っているのだ。
カフェといっても、なんか無機質な感じで、全体がのっぺらしていて妙に艶かしい感じの室内だ。
朋子は目のやり場に困って、室内をゆっくりと見渡した。
(あ、これが体験なのかなぁ)
天井からヒダヒダのようなものが、たくさんぶら下がっていて、ひとつひとつは明るくはないが、その先はライトのように光っている。
よく見ると足元にも天井と同じようなヒダヒダが、それよりも小振りな感じでぎっしり敷き詰められている。薄くて丸い柔らかいクッションのようにも見えるし、それが光っているようにも、動いているようにも見えた。
その場にいる男たちもただジッと座っているだけじゃなく、話してるようにも見えたし、何やら動いている人もいた。
ただ、股間からそそり立つ陰茎は地面に着きそうなほど長く垂れ下がっている。
足が3本あるみたいだ。なかには4本や5本に見えるのは気のせいだろうか。
(あんな大きいの入らないなぁ・・・)
朋子は想像してカラダの中がジュンと湿ったのがわかった。
室内には音楽も流れていないが、雑踏にいるような人の気配や生活の中で発生する音がそこにあるような、そんな感じがしていて、静寂でもなく騒音でもなく、朋子は聞くのではなく感じることができた。

