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下剋上ラバーズ
第2章 めんどくさい隣人
『……あのー、大丈夫ですかー』
どうしたものか少し考えた。で、結局呼びかけてみた。
『大丈夫ですかー』
さっきより声のトーンを上げてみる。続いて、コンコン、と扉をノック。が、やっぱり反応がない。
……え、どうすりゃいいんだよこれ。ほっといていいのこれ。でもすげえ悲鳴だったぞ。物音だって。事件のにおいしたぞ。……誰かに連絡するべきか、……警察? いやでもいきなり警察って、もし事件とかじゃなかったら……いやでも……事件のにおいしたぞ……。
などと、扉の前でぐだぐだモタモタしていたのを、吉とみるべきか凶とみるべきか。
俺は、部屋の奥からダ、ダ、ダ、ダ、とものすごい足音が近づいてくるのに気づかず、
『いやあああああ!』
『ぐふっ』
――突然、狂気の勢いで開いたドアに、思いきり顔をぶつけたのだった。
どうしたものか少し考えた。で、結局呼びかけてみた。
『大丈夫ですかー』
さっきより声のトーンを上げてみる。続いて、コンコン、と扉をノック。が、やっぱり反応がない。
……え、どうすりゃいいんだよこれ。ほっといていいのこれ。でもすげえ悲鳴だったぞ。物音だって。事件のにおいしたぞ。……誰かに連絡するべきか、……警察? いやでもいきなり警察って、もし事件とかじゃなかったら……いやでも……事件のにおいしたぞ……。
などと、扉の前でぐだぐだモタモタしていたのを、吉とみるべきか凶とみるべきか。
俺は、部屋の奥からダ、ダ、ダ、ダ、とものすごい足音が近づいてくるのに気づかず、
『いやあああああ!』
『ぐふっ』
――突然、狂気の勢いで開いたドアに、思いきり顔をぶつけたのだった。