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下剋上ラバーズ
第2章 めんどくさい隣人
そんなこんなで俺はなぜか、毎週木曜、毎朝、隣室の扉をドンドンするハメになった。
虫が出たら必ず召喚され、もらったじゃがいもでジャーマンポテトを作ってやったら、沙耶は味を占めて頻繁にうちに夕飯をかっさらいに来るようになった。
そうして付き合いは週一から週三、週五、と増え、毎日になり、やがて隣の部屋に帰るのもめんどくさいと言いだした。
どうせ毎日一緒にいるし、とか、どうせ起こしてもらうならあたしがここで寝ちゃったほうが早い、とか、エトセトラエトセトラ。
その頃には正直俺も、一緒に暮らすことになんの違和感も覚えないほど、沙耶に生活を侵食されていたわけで。
一緒にいる間の生活費はすべて折半、という条件で、あっという間に半同棲開始、そして現在に至る。
「真尋! 何してんの、行くよ!」
「……おお」
沙耶が、玄関で靴を履きながら俺を呼ぶ。
――半同棲とか、なんかだらしねえし。毎日、こんな女に振り回されてばっかだし。
こうなるはずじゃなかったんだけど。ってよく思う。けど。
バタバタ、ドタドタ、毎日騒がしいこいつを見ていると、ま、そういうのも別にいいか、と思えてしまうあたり。
俺は、自分で思ってるより、けっこう重症なのかもしれない。
虫が出たら必ず召喚され、もらったじゃがいもでジャーマンポテトを作ってやったら、沙耶は味を占めて頻繁にうちに夕飯をかっさらいに来るようになった。
そうして付き合いは週一から週三、週五、と増え、毎日になり、やがて隣の部屋に帰るのもめんどくさいと言いだした。
どうせ毎日一緒にいるし、とか、どうせ起こしてもらうならあたしがここで寝ちゃったほうが早い、とか、エトセトラエトセトラ。
その頃には正直俺も、一緒に暮らすことになんの違和感も覚えないほど、沙耶に生活を侵食されていたわけで。
一緒にいる間の生活費はすべて折半、という条件で、あっという間に半同棲開始、そして現在に至る。
「真尋! 何してんの、行くよ!」
「……おお」
沙耶が、玄関で靴を履きながら俺を呼ぶ。
――半同棲とか、なんかだらしねえし。毎日、こんな女に振り回されてばっかだし。
こうなるはずじゃなかったんだけど。ってよく思う。けど。
バタバタ、ドタドタ、毎日騒がしいこいつを見ていると、ま、そういうのも別にいいか、と思えてしまうあたり。
俺は、自分で思ってるより、けっこう重症なのかもしれない。