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下剋上ラバーズ
第3章 「抱かせて!」
バイトから帰ったら、パジャマ姿の沙耶がベッドの上で雑誌を読んでいた。
「あ、おかえりー。晩ご飯は?」
「今日はバイト先でまかない出た」
上着を脱ぎながら何気なく見ると、沙耶の周辺に買った覚えのない雑誌やらチラシやらが散乱している。
「何読んでんの」
「夏のイベント特集! 今日たまたま本屋さん行ったら目についちゃって、いっぱい買っちゃった。もうすぐ夏休みじゃん? ふたりでどっか行こうね。海とか、花火とか!」
「あー、もうそんな時期か」
沙耶が読んでいる雑誌を覗き込むと、祭りやら何やら、いろんなイベントが所狭しと紹介されている。
「どこでもいいけど、行くなら一番交通費安く済むところな」
「あはは、ケチだなー」
「金ねえんだよ」
「ま、いいよ。あたしは真尋と一緒に行けるならどこでもいいしさー」
「…………」
こうやって、憎めないことを言って俺の怒る気を削いでくるのはわざとなんだろうかといつも思う。
「あ、おかえりー。晩ご飯は?」
「今日はバイト先でまかない出た」
上着を脱ぎながら何気なく見ると、沙耶の周辺に買った覚えのない雑誌やらチラシやらが散乱している。
「何読んでんの」
「夏のイベント特集! 今日たまたま本屋さん行ったら目についちゃって、いっぱい買っちゃった。もうすぐ夏休みじゃん? ふたりでどっか行こうね。海とか、花火とか!」
「あー、もうそんな時期か」
沙耶が読んでいる雑誌を覗き込むと、祭りやら何やら、いろんなイベントが所狭しと紹介されている。
「どこでもいいけど、行くなら一番交通費安く済むところな」
「あはは、ケチだなー」
「金ねえんだよ」
「ま、いいよ。あたしは真尋と一緒に行けるならどこでもいいしさー」
「…………」
こうやって、憎めないことを言って俺の怒る気を削いでくるのはわざとなんだろうかといつも思う。