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夢想姫の逃避録
第8章 おいで
探し回ったけどどこにもいない。寝室かな?
寝室へ向かうと、ユウガの声が聞こえた。
なんだいるじゃん!
ドアノブに手をかける。
だけど、何かがおかしい。
嫌な気がする。
よく耳をすますと、ユウガの低い声が聞こえた。
決して緋奈には聞かせたことのないくらい、背筋がゾッとするほど冷たく鋭利な感じの声。
緋奈は恐る恐るドアを少し開けて覗いた。
ユウガがベッドに腰掛けて、姿見に向かって手をかざしていた。
ブツブツ何か呟きながらも、かざす手からは真っ黒い炎らしきものが出ていた。
ユラユラと真っ黒い炎らしき物体は揺れている。
何をしているの……?
姿見に目を移すと、とんでもない様子が映し出されていた。
あっちの世界…現実世界の緋奈自身が、部屋のベッドで眠っているんだけど、その周りを真っ黒い炎らしき物体が囲んでいた。
その外には親がいる。お坊さんらしき人もいる。霊媒師的な人を呼んだんだろうか。
親は2人とも取り乱した様子だった。
お坊さんは必死に何かを唱えている。
「そんな術でこの炎が消えるとでも思ってんのか?できるもんならやってみろよ。緋奈にはもう誰にも近寄らせねえ!!」
ユウガが怒りのこもった声で鏡に向かってそう叫んだ。
その瞬間、ユウガの手の真っ黒い炎が一瞬大きく広がった。
すると、お坊さんは全身の穴という穴から黒い炎を吹き出してそのまま真っ黒い炎に包み込まれて倒れた。
鏡の向こうの世界の音は聞こえない。
それが緋奈の恐怖心を一層煽った。
見てはいけないものを見てしまった。
どうしよう……。
親は真っ黒に燃えるお坊さんを見てさらに取り乱しながらも助けようと、必死でベランダから消火器を持ってきてかけたりしているけど、炎は消えなかった。
「俺と緋奈の仲を邪魔する奴は全員ただじゃおかねえ……ぶっ殺す」
静かにユウガは冷たく、怒りのこもった声で鏡に向かって言い放った。
寝室へ向かうと、ユウガの声が聞こえた。
なんだいるじゃん!
ドアノブに手をかける。
だけど、何かがおかしい。
嫌な気がする。
よく耳をすますと、ユウガの低い声が聞こえた。
決して緋奈には聞かせたことのないくらい、背筋がゾッとするほど冷たく鋭利な感じの声。
緋奈は恐る恐るドアを少し開けて覗いた。
ユウガがベッドに腰掛けて、姿見に向かって手をかざしていた。
ブツブツ何か呟きながらも、かざす手からは真っ黒い炎らしきものが出ていた。
ユラユラと真っ黒い炎らしき物体は揺れている。
何をしているの……?
姿見に目を移すと、とんでもない様子が映し出されていた。
あっちの世界…現実世界の緋奈自身が、部屋のベッドで眠っているんだけど、その周りを真っ黒い炎らしき物体が囲んでいた。
その外には親がいる。お坊さんらしき人もいる。霊媒師的な人を呼んだんだろうか。
親は2人とも取り乱した様子だった。
お坊さんは必死に何かを唱えている。
「そんな術でこの炎が消えるとでも思ってんのか?できるもんならやってみろよ。緋奈にはもう誰にも近寄らせねえ!!」
ユウガが怒りのこもった声で鏡に向かってそう叫んだ。
その瞬間、ユウガの手の真っ黒い炎が一瞬大きく広がった。
すると、お坊さんは全身の穴という穴から黒い炎を吹き出してそのまま真っ黒い炎に包み込まれて倒れた。
鏡の向こうの世界の音は聞こえない。
それが緋奈の恐怖心を一層煽った。
見てはいけないものを見てしまった。
どうしよう……。
親は真っ黒に燃えるお坊さんを見てさらに取り乱しながらも助けようと、必死でベランダから消火器を持ってきてかけたりしているけど、炎は消えなかった。
「俺と緋奈の仲を邪魔する奴は全員ただじゃおかねえ……ぶっ殺す」
静かにユウガは冷たく、怒りのこもった声で鏡に向かって言い放った。