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夢想姫の逃避録
第9章 消えたい
まただ……。
緋奈が洗い物している隙に、寝室の姿見を覗くと、性懲りも無く緋奈の親は、緋奈を連れ戻そうと必死に俺の灯したバリアの炎を消そうとしていた。
憤怒の炎でできた黒い炎は、水だろうが砂だろうが消化器だろうが何かけても無駄。
そう簡単に消えやしねえよ。
消されてたまるかよ。

てか自称、霊媒師とかもう何人目だよ。
本当懲りねえな。
そんな術唱えても無駄だ。

緋奈は誰にも渡さねえ……‼

俺はかざした手の炎に力を込めた。
それと連動して俺の手にまとった炎が大きく広がった。

同時に、霊媒師は全身の穴という穴から真っ黒な火を吹き出して、そのまま燃えながら倒れこんだ。
緋奈の親はそれを見て騒いでる。
消化器で必死に自称、霊媒師を焼き尽くしている炎を消そうとしていて滑稽だった。

誰が渡すかよ……緋奈をあんな辛い目に合わせて……お前らの元になんか帰すかよ。
俺はぜってえ人間どもを許さねえ。

邪魔する奴は全員ぶっ殺す‼

すると、ドアが開く音がした。
もしかして……緋奈に見られた!?

「!? 緋奈!?もしかしているのか!?」
「ユウガ!ここにいたの!? い、一緒におやつ食べよ!用意できた……からさ!」
「こんな時間に!?(笑)まぁいいや。すぐ行くから!!」

緋奈が走り去っていく。
姿こそ見えなかったけど、もしかしたら見られた…かもな……。
どこまで見てたかは知らねえけど。

俺は姿見の中の惨事を軽蔑した目で一瞥してからすぐにキッチンに向かった。

キッチンでは、緋奈が慌ただしくおやつの準備をしていた。
案の定、嘘のようだな。
でも俺は知らないフリをすることにした。
緋奈が必死におやつをかき集めてる姿を見たらどうでもよくなった。

俺はいてもたってもいられなくなって、緋奈を後ろから強く抱きしめた。
びっくりしてビクつく緋奈。
愛おしかった。

こうやって何気ない会話ができるのも幸せだった。
緋奈の泣き出す理由もわかる。
黒魔法は緋奈を守るために使っているって知ったからだろう。

「緋奈は俺が守るから…もう何にも心配しなくていい……」

緋奈……俺の愛してやまないたった一人の愛しい愛しいお姫様。
泣き虫だから俺が守ってやらないとダメなんだ。
俺が…俺が守ってやらないとダメなんだ。

もうあんな思いぜってえさせねえよ。
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