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夢想姫の逃避録
第9章 消えたい
それからまた数ヶ月が経った。
ユウガに最初に連れてって貰ったあの丘の上の桜の木は、もう秋だというのに一向に枯れる気配がない。
相変わらず、儚げにピンクの花びらの大群が大量に散り続けていた。
なんで枯れないんだろう……
もう散り切って寂しい枯れ木になってしまっていてもおかしくない時期なのに。
お昼時。緋奈は桜の木の下でひとり不思議に思った。
すると、冷たい風が緋奈の頬を撫でた。
寒さで身体をブルッと震わせた瞬間、思いがけずくしゃみをしてしまった。
「そんな薄手のワンピース1枚じゃ風邪引くぞ?」
不意に、後ろから赤と緑の可愛いチェック柄の大判ストールを、後から来たユウガにかけられた。
厚手であったかい。
「あ、ありがとう……」
「おう。てか、季節外れの桜もいいもんだなー!」
ユウガが仰ぐように伸びをする。
「でもなんでまたここに来たかったんだ?」
「なんとなく今この桜どうなってるのかなってふと思って。それでまた見に行きたいなーって」
「緋奈は本当、桜大好きだよな」
「うん!…ユウガ覚えてる?」
「何を?」
「ここで告白してくれた事」
緋奈は桜の木にもたれかかった。
ユウガもつられてもたれかかってきた。
「覚えてるよ。この世界に連れてきてすぐの時に告白した。今思うと俺も緋奈も行動ぶっ飛んでたな……(笑)」
「出会ってすぐに告白とか、キスとか……あとエッチ手前の事とか……たしかに今思うとぶっ飛んでたね……(笑)でも緋奈は嫌じゃなかったよ。それどころか、とっても嬉しかった…」
そう言ってユウガの肩にもたれかかると、ユウガは緋奈の手を恋人繋ぎしてくれた。
「俺も嬉しかった。緋奈とこういう関係になりたかったからさ。だから早まった事したなとは思ったけど緋奈が受け入れてくれてすっげえ嬉しかったんだ。ありがとな」
ユウガに最初に連れてって貰ったあの丘の上の桜の木は、もう秋だというのに一向に枯れる気配がない。
相変わらず、儚げにピンクの花びらの大群が大量に散り続けていた。
なんで枯れないんだろう……
もう散り切って寂しい枯れ木になってしまっていてもおかしくない時期なのに。
お昼時。緋奈は桜の木の下でひとり不思議に思った。
すると、冷たい風が緋奈の頬を撫でた。
寒さで身体をブルッと震わせた瞬間、思いがけずくしゃみをしてしまった。
「そんな薄手のワンピース1枚じゃ風邪引くぞ?」
不意に、後ろから赤と緑の可愛いチェック柄の大判ストールを、後から来たユウガにかけられた。
厚手であったかい。
「あ、ありがとう……」
「おう。てか、季節外れの桜もいいもんだなー!」
ユウガが仰ぐように伸びをする。
「でもなんでまたここに来たかったんだ?」
「なんとなく今この桜どうなってるのかなってふと思って。それでまた見に行きたいなーって」
「緋奈は本当、桜大好きだよな」
「うん!…ユウガ覚えてる?」
「何を?」
「ここで告白してくれた事」
緋奈は桜の木にもたれかかった。
ユウガもつられてもたれかかってきた。
「覚えてるよ。この世界に連れてきてすぐの時に告白した。今思うと俺も緋奈も行動ぶっ飛んでたな……(笑)」
「出会ってすぐに告白とか、キスとか……あとエッチ手前の事とか……たしかに今思うとぶっ飛んでたね……(笑)でも緋奈は嫌じゃなかったよ。それどころか、とっても嬉しかった…」
そう言ってユウガの肩にもたれかかると、ユウガは緋奈の手を恋人繋ぎしてくれた。
「俺も嬉しかった。緋奈とこういう関係になりたかったからさ。だから早まった事したなとは思ったけど緋奈が受け入れてくれてすっげえ嬉しかったんだ。ありがとな」