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夢想姫の逃避録
第9章 消えたい
すぐにユウガをベッドに寝かせると、氷枕を取り替えたり、氷のうの中身を取り替えたり、着替えさせたりと緋奈はバタバタ動き回った。

その様子をユウガはベッドの中から緋奈をジッと見つめていた。

「どうしたの?」
「いや……なんでもない」
「なんでもなくないでしょー(笑)」
「……ごめん」
「なんで謝るの?」
「緋奈は俺の体調いちばんに考えてくれたから止めてくれたんだよな……俺、緋奈を守んなきゃって、必死になってた。ごめんな……?」
緋奈は首を横に振った。

「緋奈こそごめん……ユウガは緋奈を守ろうとしてくれていたもん……自分の体調が崩れていても関係なく守ってくれて、とっても嬉しかったよ。でもこれ以上危ない事はしないで?ユウガに何かあったら緋奈……ひっく…っく」
堪えきれずに涙が溢れた。

ユウガはそっと笑って緋奈の涙を指先で拭ってくれた。
その手はあったかかった。

「俺、誰かにこんなに心配された事無かったんだよな。だからすげえ嬉しい。ありがとうな?」
緋奈は泣きながら深く頷いた。

大好きな大好きなたった一人の緋奈の王子様。
命がけでこんなに想ってくれた事なんて無かった。
嬉しかった。
緋奈はそんな幸せを噛み締めた。

ユウガは優しいから、すぐに自分の体調をかえりみずに守ってくれるの。

「緋奈……」
「何?」
「もっとこっちに来て…」
「え、でもうつっちゃうよ?」
「マスクするから大丈夫(笑)」
そう言ってマスクをつけると、そのままベッドの中に引きずり込まれた。

ギュッと抱きしめられた状態。
あったかい……

すると、耳元で囁き声が落とされた。

「緋奈……もうどこにも行くな…誰も信じなくていい。俺だけを信じて……」
緋奈は涙をまたこぼしながら、頷いた。

「緋奈はイイ子だね……そんな緋奈が大好きだよ……愛してる……」
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