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夢想姫の逃避録
第1章 泣かないで
しばらく呆然とした。
もうやだこんな毎日……
なんで緋奈は生きているんだろう?
どうしたらいいんだろう?
嘘つき。守るって言ってくれたのに。嘘つき!!
誰も助けてくれない。
“消えたい。死んじゃいたい。ラクになりたい”
そう思った時、一粒、ニ粒と大粒の涙が止め処なく溢れ、零れ落ちた。
17年間一人ぼっちで生きてきた。一人ぼっちだと思いながら生きてきた。
もう限界だった。
盗まれると思ってカバンも持ってきてよかった。
このまま帰ろうかな……?
いや、屋上から飛び降りようかな……?
保健室に行くのをやめて、緋奈は別の場所へ歩き出した。