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夢想姫の逃避録
第2章 荊の剣

フードを脱ぐと、現れたのは綺麗な銀髪だった。
少しフワフワしていて、襟足が肩まである。
顔立ちは驚く程整っていて、鼻筋がよく通っていた。
瞳は大きく二重。目の色はブルー系。
端整な顔立ち、美男子、イケメンって言葉がお似合いだと思った。

そう思ってると、ニコッとされた。
緋奈は思わず心臓が飛び出る程びっくりした。
笑い方がわからないからこういう時、どうしたらいいか分からなかった。
只々、緋奈は動揺していた。

男の人は緋奈の動揺ぶりを見て少し笑うと、こう言った。
「ここは緋奈の夢の中。心の中だよ。ここの状態は緋奈の心の状態とリンクしている。だから荒れ果てているんだ」
「……なんで緋奈の名前を知ってるの?それにあなたは誰なの?」
警戒しつつも、話をそらす。
「あ、ごめん。名乗ってなかったね。俺はユウガ。緋奈の心が生み出した負のパワーの塊みたいなもん。だから緋奈のことは小さい頃から知っている。ずっとここの世界にいたから……」
「嘘よ!! そんなこといきなり言われて信じるとでも思った!?緋奈はずっとひとりだった!!」
ユウガの言葉を遮るように緋奈は声を張り上げた。
もうわけがわからない。緋奈に構わないで欲しい!!
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