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夢想姫の逃避録
第2章 荊の剣
「緋奈!どこだ?緋奈!! いたら返事しろ!!」
ユウガは全速力で荊をかき分け、緋奈を探してくれた。
自分の背丈より大きいドームを崩すだけでも大変だと思うし、緋奈自身も今自分はどこにいるのか位置がまったくわからなかった。
「緋奈が見つかるか俺が先に倒れるか……だな。急ごう……ん?」
暗闇の中、体育座りで目を伏せている緋奈を見つけてくれたみたいで、
「見つけた!おい!緋奈!!」
ドームの上からユウガの声がした。
ゆっくり見上げると、ユウガは捕まれ!って緋奈に手を伸ばすけども、緋奈はやっぱり人が怖くて仕方ない気持ちが拭えなくて、その手を取ることができなかった。
どんな顔をすればいいかなんてわからなかった。
心がグシャグシャしていて訳がわからない。
すぐに俯いた。
すると、ユウガは荊の中に潜り込んで緋奈の目の前まで近づいた。
緋奈は相変わらず、動揺して目も合わせられない。やだ……来ないで……。
「もしかして俺のこと気にしてる?俺はこのぐらいじゃ死なねーよ。安心しろ」
「…………なんであんなマネ……」
「緋奈に傷ひとつつけたくないから」
遮りながらあまりにあっけらかんと言うものだからびっくりして顔を上げた。
ユウガは優しく微笑んでくれていた。
すると、頭ををポンポンしてくれた。
ユウガは全速力で荊をかき分け、緋奈を探してくれた。
自分の背丈より大きいドームを崩すだけでも大変だと思うし、緋奈自身も今自分はどこにいるのか位置がまったくわからなかった。
「緋奈が見つかるか俺が先に倒れるか……だな。急ごう……ん?」
暗闇の中、体育座りで目を伏せている緋奈を見つけてくれたみたいで、
「見つけた!おい!緋奈!!」
ドームの上からユウガの声がした。
ゆっくり見上げると、ユウガは捕まれ!って緋奈に手を伸ばすけども、緋奈はやっぱり人が怖くて仕方ない気持ちが拭えなくて、その手を取ることができなかった。
どんな顔をすればいいかなんてわからなかった。
心がグシャグシャしていて訳がわからない。
すぐに俯いた。
すると、ユウガは荊の中に潜り込んで緋奈の目の前まで近づいた。
緋奈は相変わらず、動揺して目も合わせられない。やだ……来ないで……。
「もしかして俺のこと気にしてる?俺はこのぐらいじゃ死なねーよ。安心しろ」
「…………なんであんなマネ……」
「緋奈に傷ひとつつけたくないから」
遮りながらあまりにあっけらかんと言うものだからびっくりして顔を上げた。
ユウガは優しく微笑んでくれていた。
すると、頭ををポンポンしてくれた。