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夢想姫の逃避録
第1章 泣かないで
朝起きてから襲ってきた絶望感を引きずりながら、変わらず重い足取りでリビングに向かった。
でも、リビングどころかキッチンや洗面所にも何処にも音が無かった。無音。
強いて言うならば、雀の鳴き声が聞こえてくる程度。
部屋全体が恐ろしい程静まり返っていた。
嗚呼あの人たちは仕事に行っちゃったんだ。良かった……って思うと、少し安堵。
あいも変わらず、食卓には朝ご飯どころかこれを食べてくださいの一言が添えられた置き手紙すら無い。
冷蔵庫の中身も殆ど無い。
また今日も、虚無感にも襲われた。
気分的にも体力的にもしんどかったし、何時ものことだって自分自身に言い聞かせて、そのまま何も食べすに学校へ向かった。
足取りは重たいまま。