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夢想姫の逃避録
第6章 可愛い
ユウガは緋奈の笑顔が大好きだってそう言ってくれた。

それで、此処に連れて来られた時も、その時も緋奈はこう思った。
笑っていいんだって。
ありのままの緋奈でいていいんだって。
これからは大好きな人の為にたくさん笑おうって、そう思った。

緋奈はとっても幸せだよ。

此処にいれば大好きな人が、緋奈の大好きな白馬の王子様が、緋奈だけを愛してくれる。
大事に、まるでお姫様のように、壊れないようにそっと大切に扱われて、守ってくれる。

傷だらけの緋奈の事を、あんなにも心配してくれた。
嬉しかったんだ。
たとえ傷が完全に塞がらなくっても、緋奈の痛みが癒えるならなんでもするって……。
そんな事一度も言われた事なんてなかった。
真っ直ぐな目で、真面目な顔してそう言うから焦っちゃって視線そらしちゃったけど。

だけど、胸がじんわりと熱くなるくらい嬉しかったんだ。
本当は涙が溢れるくらい嬉しかったんだ。

夢の中。覚めない夢を見せてくれる王子様。

どうしてあの日、緋奈の元に現れたのか。
どうして夢の中にずっと住んでいたって言い出したのかは分からない。
でもそんなのはもうどうでも良かった。

こんなに愛してくれる人なんて、他にいなかった。

優しい声で「緋奈」って呼んでくれたり、声かけてくれたこともなかった。
あっちの世界の緋奈は、まるでゴミのような存在だったから。

壊れないように大事にそっと触れられる事もなかった。
いつも殴られたり蹴られたり暴力振るわれていたから。

緋奈を優しく包み込むように抱きしめてくれる2つの細い腕。
だけど程良く筋肉がついていて、どこか頼もしく思えて安心する事ができた。
あんな安心できる居場所は他にどこにも無かった。

「おいで?」とか「大丈夫だからな」とか、全部全部、緋奈にとって言われるだけで安心する事ができて、愛されている実感も、幸せも噛み締める事ができた。
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