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夢想姫の逃避録
第6章 可愛い
夢の中へ……

もう目が覚めることができない程、深い深い夢の中へ誘って、連れ去ってくれた白馬の王子様。

ボロボロにされた後にも関わらず、しっかり緋奈をお姫様抱っこして、誰にも見つけられることも触れられることもできない深い深い夢の中へと、連れてってくれた。

そんな白馬の王子様に、緋奈は一瞬で心も身体も許した。
でも後悔なんて全くしていないよ。
大好きだから。
この人だったら何されてもいいって、そう思えたから。

だから怖いの。
この夢が覚めて、元の世界に戻されてしまったらどうしようって。

そして何より、ユウガがいなくなってしまうのが怖くて怖くて仕方ない。
離れたくないし、どこにも行かないで欲しいよ。
ずっとこの世界に、夢の中に、ユウガの腕の中に閉じ込めて欲しいの。

緋奈がどこにも行かないように、見つけられて元の世界に連れ戻されてしまわないように、ずっと、ずっと、ずっと……

お願いだからずっと緋奈を捕まえていて……

ユウガにだったら何されても構わないから。
何でもするから。

だから…お願いだから緋奈の側にいて……
もうひとりにしないで……
ひとりぼっちはもう嫌だよ……怖いよ……
ユウガのいない世界なんて生きていられないよ……

この愛が、想いが狂っていたっていい。
誰よりも大好きな人が、誰よりも愛してくれる人が、緋奈の前からいなくなってしまうのがこんなにも怖いの。 

緋奈はワガママだけど……でもこれだけはワガママ言わせて……


行かないで……側にいて……大好き……。

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