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夢想姫の逃避録
第7章 知らなくていい
緋奈がユウガに連れて来られてから1ヶ月が経った。

相変わらず緋奈は夢の中で幸せな時間を過ごしている。
ユウガにたっくさん愛されて、愛して、たまに意地悪にちょっかい出されて転がされるけども、凄くその時間が愛おしくって、ずっと笑っていられる事が出来て、本当にこれ以上の無い幸せを感じている。

大好きな人に守られて、愛されて、安心して毎日を笑って過ごす……。
現実世界じゃ……あっちの世界じゃ絶対にありえなかった事で、いちばん欲しかった生活だった。

今は身の回りの家事をしながらユウガに料理を教わっている。

まだまだ失敗しちゃうけど、ユウガは美味しいって言って食べてくれる。
無理しないでって言ってるんだけどね……(笑)
でもユウガはとっても優しかった。
そんなユウガが大好きだよ。

「ねぇ、緋奈……」
お風呂上がりの緋奈。ソファでゆっくりしていたらユウガが隣に座って、緋奈の肩にもたれかかってきた。
いきなりだったからちょっとびっくりした。
少し心拍数が上がったかも……。

「わっ……なーに?どうしたの?」
「んーなんか甘えたかった……」
「何それー(笑)」
ユウガは目を閉じて、リラックスした表情でそっと微笑んでいた。
そんなユウガの幸せそうな顔を見ていたら、自然と笑みが溢れたし、緋奈も甘えたくなってユウガの頭にそっと寄り添った。

「緋奈……」
「ん?だからなーに?」
「緋奈は此処に来てからたくさん笑うようになったよな。俺は緋奈が幸せなら、笑っていてくれるならもう何にもいらないんだ。俺今すげえ幸せだよ……?」
ユウガはそう言うと、そっと目を開けてそのまま緋奈の方を見つめた。
綺麗な瞳……吸い込まれてしまいそう……。
でもあんまりにも見つめてくるから少し照れて笑っちゃった……。

「照れてんの?可愛い…顔ほんのり赤くなってるよ?」
「照れてないよぉ……お風呂入ったばっかだから赤いだけだよ……////」
「照れ隠しも可愛い……♪」

ユウガは起き上がると緋奈の髪をワシャワシャ撫でて、そのまま自分の肩に緋奈の頭をもたれさせた。
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