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夢想姫の逃避録
第7章 知らなくていい
「あったかい……」
そう呟くと、ユウガはそっと微笑んで緋奈の頭を優しく撫でた。

「ユウガ……」
「ん?どうした?」

緋奈は言い出すのを少し躊躇ってしまった。
沈黙が流れた。
ユウガも気になったのか緋奈の方を心配そうに見つめた。

「あのね……ずっと気になっていたんだけど……」
「うん」
「あっちの世界の緋奈って今どうなっているの?」

ユウガは少し驚いた顔をしていた。
一瞬、口に出した事を後悔した。
でも少しだけ沈黙した後、答えてくれた。
ゆっくり、ゆっくりと。

「あっちの世界の緋奈は、今は眠ったままだよ」
「眠ったまま……?」
「そう。眠ったまま。童話の眠り姫みたいに、何日も何日もずーっと眠っているよ」
緋奈は意外な答えに焦って思わず起き上がった。

「それって……!親が起こしに来ちゃってるよね……!?」
ユウガは焦る緋奈を落ち着かせるかのように、いつも通り笑って、緋奈の頭をポンポン叩いた。

「あっちの緋奈は眠っているけど、誰も近づけないようにしてる」
それでもまだ不安が拭い切れない緋奈を守るように、ユウガはそっと抱き締めてくれた。

「大丈夫。あっちの緋奈も、こっちの緋奈も全部守るよ。俺は緋奈には指一本触れさせたくないし、緋奈の姿も見せたくない。況してや、邪魔なんてもっとされたくない。緋奈は俺が守るって前も言っただろ?な?……大丈夫だからな……?」
ニコッと笑ってくれた。
緋奈は安心感を与えてくれるその笑顔を見て、ゆっくり頷いた。

「よしよし!イイ子♪」
緋奈の髪をまたワシャワシャ撫でられた。

ユウガは緋奈が安心して過ごす事ができるように、そこまでやってくれていたんだね……。
嬉しい……。

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