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蜜刻に揺れて
第4章 Unclear delineation
なんて答えたか覚えていない。

竜の熱に浮かされた様に身体がふわふわしていた。

「静」

耳朶を擽る竜の澄んだ声は身体を立てる力すら奪っていく。

指先が静の首筋を触れるか触れないかで往復すると、擽ったさに身を捩ってしまう。

「静、逃げるなって」

「違っ…」

「食っちゃうよ」

竜はにっと笑って鼻先を甘噛みした。

戸惑っている静を他所に、竜はブラウスのボタンを器用に外していく。

「タ、ロ…」

耳朶を嚙ったあと、首筋を舌が下がっていく。

鎖骨を唇で食み、音を立てて下唇を吸った。

一瞬視線が交わった時、竜の瞳は猛獣の様にギラついていた。

再び唇が合わさると、厚い舌が歯列をなぞる。

「口を開く」

有無を言わさない冷たい命令。

おずおずと開くと、よく出来ましたと竜の舌は口腔内へと押し入っていく。

「…ンッ…っはあ…ぁっ…!」

舌先がちろちろと口蓋を嬲る。

ゾワゾワとした快感が背骨を伝って下腹部に広がっていく。

「…ん…ふっ…ぅん…」

腰から脱力する感覚に襲われて、竜の両腕にしがみついた。

「気持ちイイ?」

「っ!ち、かいっ…てばっ…」

目と鼻の先にまでぐっと顔を寄せられて、静は動揺を隠せない。
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